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湖水地方 Lake District (4) エルベリン Helvellyn&Striding Edge(950m) : 2011/5 [登山・ウォーキング:イギリス]

トレッキング2日目は、イングランド3番目に高いエルベリンへ。 Striding Edgeなどのちょっとした岩場もあり、久しぶりの山登り気分に。

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 前日 湖水地方 Lake District (3) スコフェルパイク Scafell Pike (978m)へ

スコフェルパイクに登った翌日、もう一日余裕があったので、ロンリープラネットに”Top-quality route"と記されていたエルベリンサーキットに向かうことにした。
UllswaterのほとりのGlenriddignからスタートし、途中、Striding Edgeと呼ばれるちょっと切り立ったエッジを通りながら、イングランド第3の高峰エルベリンに登り、Grisedalle Tarnを経由して戻ってくるコースで、14.5kmくらいの行程。


<コース>
Glenridding-Hole in the Wall-Striding Edge-Helvellyn-Grisedalle Tarn-Glenridding  


8:30 ボウネス

前日は湖水地方の北部にあるスコフェルパイクに登ったので、今度はグラスミア周辺を歩いてみたいと思っていた。色々見ているとエルベリンという山の周りのコースがなかなか変化があって良いらしい。エルベリンへはグラスミア側からも登れるが、山の反対側のアルスウォーター側からのコースがよりリワーディングだそう。このアルスウォーターという湖もちょっとウインダミアから離れたところにあり、写真を見るととても秘境っぽくて美しい(実際に行ってみるとそれなりに開けてはいたが)ので一度行ってみたいと思っていた。B&Bの朝食を食べてから、ボウネスまで歩き、バスでスタート地点のGlenriddingに向かうことにする。。      
  
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日中は賑わっているボウネスのあたりも、朝は静か。ウインダミア湖も晴天のなか穏やかだった。

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10:00 Glenridding

Glenriddingはアルスウォーターの観光起点となっている村。何件か湖沿いホテルは並んでいたが小さな村だった。昔は鉱業が盛んでそれなりに栄えていたらしい。集落の間を抜けて早速歩きだす。

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少し登りだして振り返るとアルスウォーターが見える。湖水地方で2番目に大きな湖で長細く14.5kmくらいあるが、深さは60m程度と以外と深くはない。昔昔に氷河に削り取られた谷に出来たそうだ。

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道が結構細かく走っているので地図を見ながら慎重に進む。湖水地方の山々はフットパスが結構枝分かれしており、標識もそれほどないので地図は必須。この日は登り出しは地図をみながらも間違えそうになったが、ボランティアレンジャーというバッジをつけたおじさんに道を教えてもらいなんとか道を間違えずに進めた。開けた谷を左にみながら登っていく。

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たまにはぐれ羊に遭遇したり。

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相変わらずイギリスの山は風が強い。950mしかないような山でも稜線にでると強烈に風が吹いてくるので上着を着込む。ただこの日は天気が良いので凍える心配はなさそうだった。木は全くなく、月の表面みたいな景色が広がっていた。

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振り返るとアルスウォーターはすっかり小さくなっていた。万里の長城のように見える石垣はおそらく羊囲いの垣根。快晴の空のもと、遠くにみえるのはヨークシャー方面だろうか。

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11:40 Stridding Edge

このコースのメインイベントはStridding Edgeと呼ばれる切れた稜線。ここを超えるとエルベリンの山頂に着く。日本の山の岩場に比べればそれほど危ない場所ではないが、風が強いのでちょっとドキドキしながら進む。

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今までイギリスで登った山では手を使って登るような山は殆どなかったので、ちょっとした岩場でもテンションがあがり、楽しい気分になる。

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特に岩場にマーカーとか進行方向があるわけではないので、変な方に進むと降りれない所に出てしまう。たまに落ちたら大けがするかも、ということろもあるので、一応慎重にルートを取る。

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イギリスの人も岩場に慣れている人はそれほど多くないようで、登山者同士で顔を見合わせたり、心なしか不安そうな顔をしている人も多くいたりして、イギリス人らしくない感じがした。天気は相変わらず快晴。

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最後にちょっとしたガレ場を急登すると山頂付近に到着。

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今通って来た道をよおくみると、しっかりと横に巻き道がついていた。ちょっと怖い思いをしなくても山頂に来ることはできたのだった。ちなみに冬のこのエッジの写真を何度か見かけたが、雪が積もって冬だと相当怖いコースになるだろう。

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12:20 エルベリン山頂 Helvellyn(950m)

山頂はStridding Edgeから見えた通り、平らなのっぺりとした空間になっており、昔ここに飛行機を着陸させようとした試みがあったらしい。950mだがイングランドで3番目に高い山、相変わらず淡い景色のなか、遥か遠くまで見渡すことが出来た。

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風が猛烈に強いので、積んである石の蔭に入らないと休憩もしづらい。

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と思っていたら、いましたトレラン野郎の二人組。こんなことでも走って軽々と登ってくる人がいたりするのです。ストイック。

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サクッと降りるコースもあるが、今回はロンリープラネットにalternative courseとして紹介されていたGrisedalle Tarnをぐるっと回って降りるコースを取ってみた。横から先ほど通ったStridding Edgeを眺めながら歩く。

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こちらのコースは山頂付近と比べると大分人が少ない。こちらからグラスミア方面に下山することもできるが、Glenriddingまでのバスの往復券を買ってしまっていたので、予定通りGlenriddignまで戻ることにした。

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日差しが強いので、景色もくっきり。色が少ない景色の中をひたすら下っていく。この辺りはカンブリア地方と呼ばれているのだが、カンブリア、デボンなど昔地学でならった地質時代の名前のもととなった地名がイギリスにはあちらこちらにある。

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登りに使った道と谷を挟んで反対側にある道をひたすら下っていく。

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すっかり、日中で一番気温が高い時間帯になり、羊の親子も木陰でダラダラしていた。ちなみに日本で1日のうち、一番気温が高いのは14時くらいと相場は決まっているのだが、イギリスは何故だか16時くらいのことが多い。これもちょっと不思議。

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15:00 アルスウォーター Ullswater

 

下山後、バスの時間まで余裕があったのでアルスウォーターの近くでアイスクリームを食べたりしてダラダラ過ごした。いつも、思うがヨーロッパ人のアイスクリーム好きには舌を巻く。老いも若きもみんなアイスクリームが大好きなのは微笑ましい。ちなみに、Ullswaterでアルスウォーターと読む。スコットランドやウェールズの地名はつづりから判断しづらいものがとても多い。

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ここも、犬天国だった。イギリスの犬は本当に幸せな生活を送っていると思う。伸び伸びと原っぱを駆けずりまわったり、湖にジャブジャブ入ったりして、人も犬も天気の良い午後を満喫していた。

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2回目の湖水地方。好天に恵まれて、キラキラした山の風景を楽しむことだ出来て大満足だった。やはり人の気配があまりしないところを歩くのは、非日常で刺激的。機会があれば是非秋にも歩いてみたい。

   前日 湖水地方 Lake District (3) スコフェルパイク Scafell Pike (978m)へ

(おわり)


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Jetstream777

Wah! いい感じの山、稜線の風景ですね。
イングランドにこんな山があるとは予想外です。
私は巻道を通ります。 (笑)
by Jetstream777 (2011-08-06 00:44) 

hiko

>Jetstream777さま、

意外とあるのです、こんな稜線も 笑
標高は低いのですが、緯度が高いので景色はすっかり
高山気分に浸ることができました。
by hiko (2011-08-07 07:30) 

山子路爺

尾根上にルートがくっきり。
振り返ってあそこを来たんだなぁ、と頂上で振り返る。山歩きの感慨が集約される時ではないでしょうか。写真からそんなことを思い浮かべました。

(言い訳)
hikoさんのブログをお気に入りに入れてあるのですが、何時クリックしても「テムズ川」に行き当たってしまい、忙しくて何処にも出かけられないのかと思っていました。スイマセン私のほうがおかしかったようでした。お気に入りに入れなおしましたので、今度は大丈夫だと思います。
by 山子路爺 (2011-08-07 14:40) 

hiko

>山子路爺さま、

いえいえ、とんでもないです。たまにしか更新していないブログですので、たまーに覗いて頂ければ十分です 笑。もうちょっと更新するようにしたとは思っているのですが。。。
山頂で振り返り、感慨に浸るとこなのですが風が強すぎて、なかなか余裕が今回はありませんでした。。でも後で写真で見て、あんなとこだったのだな~と感慨にふけっています(^^ゞ

by hiko (2011-08-08 01:16) 

montblanc

on the edge かっこいい言葉ですが、恐怖心で一歩も進めないことも・・・
湖水地方の水の色、是非この目でみてみたいです^^
by montblanc (2011-08-30 22:16) 

hiko

>montblancさん、

そうですね、ちょっとだけ足がすくんでしまうようなところもありました。巻き路を通れば、全然大丈夫なんですけどね。湖水地方は賑やかなエリアもありますが、ちょっと外れのほうに行くと、途端に人が消えて、自然そのものになります。機会があれば、是非!
by hiko (2011-09-04 17:59) 

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