ツール・ド・モンブラン (6) : 2009/6/27~2009/7/5 [登山・ウォーキング:ほか海外]
6日目はFentre d`Arpetteを越えて、フォルクラのコルへ。岩場あり、高低差ありの一番山登りっぽい一日だった。
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Day6. シャンペ(Champex 1,477m)
→フォルクラのコル(Col de la Forclaz 1,526m)
シャンペとフォルクラのコルの間はコースが二つある。一つは比較的平たんなAlp Bovineを通る伝統的なコースで、日本語のガイドブックはこちらが紹介されているものが多い。もうひとつが、バリエーションルートになっているアペット渓谷を歩き、Fentre d`Arpetteを越えて行くコース、登りも下りも高低差が1,100mあってちょっとしんどいようだが、眺めはより良いらしい。コースに雪が残っていないことを聞いて、後者のルートを取ることにした。
比較的タフなコース取りをしているガイドブック「Tour of Mont Blanc: A cicerone guide by Kev Reynolds」にも十分な装備と安定した天候時以外にはこちらには行かない方が良いよと書いてあったので、ちょっとビビったが天気は快晴だったのでアペット渓谷に向かう。ちなみに、Fentre d`Arpetteは「アペットの窓」という意味だそうで、そこを越えると窓を開けたように全く新しい景色が広がるコルというのがその由来らしい。この日が一番、日本の山登りのイメージに近い行程となった。
7:30 出発
まずは小川沿いに樹林帯の道を登っていく。スイス側の山々が遠くに見える。
登山道の入り口で昨日同じコースを歩いていた人たちと出会う。同じペースで移動している人達とは何日も同じ行程を進むので、あ、またいた!とちょっとした顔なじみ。彼らは前日この上に泊まったのか下ってきており、世話好きそうなおばさまに、「ひたすら小川に沿って歩くのよ!」と教えてもらい、その通りに進んでいく。
8:20 Relais D`Arpette
一時間弱で、谷の入り口の山小屋風ペンション。かなり雰囲気の良い感じの山小屋で、こっちに泊まれば良かったと思った。
ここからずっと今日歩いて行く谷が見える。越えていく「窓」は谷の一番奥、まだ山に隠れていて見えない。 歩いている人が全然いないのでちょっと不安になる。
10:00 ひたすら登る
行く先がずっと見えている道のりは、とても長い。日差しが強いので、休んでは登ってを繰り返す。徐々に人に追い抜かれたり、先を歩いているグループを見つけたりして、ちょっと安心。
このトレッキング中、スイスと言えばエーデルワイス、エーデルワイスと思い、ずっと探しながら歩いた。ただエーデルワイスの花を知らないので、あれ、エーデルワイスじゃない、いやこっちかもと、とりあえずエーデルワイス候補を写真に撮りまくった。が、エーデルワイスは一枚も写っていなかった。
進むにつれてガレ場っぽい道になってくる。谷の左手はギザギザした岩山で、時折ゴロゴロと不安な音がするので、振り返ると人間くらいの岩の落石が起きたりしていた。コースは谷の右斜面沿いについている。道標も基本的に日本と同じで、岩にペンキのマークや矢印がついているので、天気が良ければ道ははっきりしている。
道が道に折れるとやっと「窓」が見える。稜線上の一番低いところを目指して登っていく。登っているときはあまり感じなかったが、後から見るとガレ場の岩はところどころ大きめのものが転がっており、あんなのが歩いている時に転がってきたら、アウトかもと思う。所々雪渓もあるが、天気が良ければ特段コースは危なく感じなかった。今回トレッキング中ずっとデジカメ一眼レフを首から下げて歩いていたので、絶対こけられん!と思いつつ進む。
左右の岩山はギザギザしていて格好良い。赤っぽい岩が青空に映えていた。
11:30 Fenetre d`Arpette (2,665m)
すぐ目の前に前の人の足が見えるくらい急な最後の登りを頑張ると、アペットの窓に着いた。景色は一変し、スイス側の山々が見える。
ここで一服。4時間ずっと登ってきたので、結構疲れたが、昨日シャンペで手に入れたネクタリンがとても美味かった。サラミとかチーズとかをナイフで切ってサンドイッチにしているおじさん達がいて妙に格好よく見えて、その影響を受け、ナイフだけではどうにもならないだろうが、帰りにシャモニでVictorinoxのナイフを買ってしまった。
ここからは吸い込まれるように谷間へ下っていく。
谷の反対側、左手は氷河が広がっており、ずっと眺めながら下っていく。 実際に目にするまで、氷河がどんなものなのかよく分からなかったが、確かに氷の河、岩を削ってしまうのもよくわかる気がする。
15:00 フォルクラのコル(Col de la Forclaz 1,526m)
長い下りをひたすら下って下っていくと、やっとChalet du Glacierに着いた。ここには売店だけあり、飲み物やちょっとした軽食が手に入る。水がなくなりかけていたので、ここでコーラを一気飲み。
ここからはほぼ平坦な森林の間を歩いて行く。
途中、谷の左側のTrientへの道がどんどん下っていくのに対してフォルクラへの道はずっと平坦。 Chalet du Glacierまで氷河見物に来る人たちとすれ違いながら、歩いて行く。
ヘトヘトになりながら、フォルクラのコルに到着。ここの峠は要衝のようで、大きめの車道が通っており、車もそこそこ多い。ここでは、普通の山小屋よりもちょっと小奇麗なHotel du col de Forclazに泊まった。ホテルといってもドミトリーもあり、ハイカーの宿といった感じだった。
シャワーを浴びてから腹が減ったのでビールとチップスで乾杯。普段なら脂っこいチップス山盛りも疲れていたのでペロリと平らげた。そのあとの晩御飯、付け合わせも、全く同じチップスでうげっっと思ったが、まあ仕方ない。
一番山登りらしく疲れたが、心地よい疲れで充実感のあった一日だった。
ため息をつきながら読みました。
コルに出る前の写真、氷河、流れ出るスラブ状(?)の沢など……
宿もきれいでいいですネ。
by 山子路爺 (2009-08-07 11:17)
こちらのヴァリエーションルートから行かれたんですね。
私はボヴィーヌを回るルートから行きました。それでも登りはきつかったです。
たぶんフォルクラ峠でバッティングしてますよね。
レストランでビール飲んでたのは何時ぐらいですか?
私は16:00ぐらいに到着して、売店の前でしばらくうろうろしていました。
by てる (2009-08-07 11:54)
>山子路爺さま、
そうですね、山の雰囲気とかは似てるところもありますが、
氷河とかはでっかいので、なかなか迫力がありました。
山小屋は、小屋っていうよりかはペンションのような雰囲気
ですが、日本よりも比較的車道に近いところにあって、食糧
とかが運びやすいからかもしれませんね。横尾とかのイメージ
です。
山小路爺さんのブログの山小屋写真はとても趣があって素敵ですね!。
>てるさま、
おお、フォルクラの売店ですね!僕もビール飲んで16時くらいに売店あたりをフラフラしてました。かなりニアミスしているはずなんですが、日本の方は見かけなかったような。。もしやてるさん、フランス人によく間違えられたりします?(^v^)
by hiko (2009-08-08 16:07)