ツール・ド・モンブラン (4) : 2009/6/27~2009/7/5 [登山・ウォーキング:ほか海外]
モンブランを横に眺めながら、イタリア側の稜線を歩き、クールマイユールへ。フェレの谷をバスで移動し、エレナ小屋までまた歩く。山と花と天気、すべてがそろった会心の一日となった。
DAY3へ (初日に戻る) DAY5へ
Day4. エリザベッタ小屋(Rifugio Elisabetta 2,195m)
→コンパル湿原(Lac Combal 1,950m)
→Mont Favre Spur 2,430m
→シェクルイのコル(Col Checruit 1,956m)
→クールマイユール(Couemayeur 1,226m)
→{バス}→アルヌーバ(Arp Nuva 1,789m)
→エレナ小屋(Rifugio Elena 2,062m)
7:00 出発
食堂に早めに行ったら、早めに朝食を摂れたので、早めに出発。今日も晴れているので気持ちは鼻歌まじりの上機嫌。エリザベッタの小屋はすぐ前に、ちょっとした氷河があり、スカッと見えている。
昨日、同じくエリザベッタ小屋に泊っていた、ちょっとすかした感じのイタリア人自転車軍団、彼らはフランス方面に走っていった。
小屋から坂道を下っていくと、すぐにコンバル湿原。湿原のそばにテントを張っている人もいた。良いのかどうかわからないが、気持よさそうだ。振り返ると静かな水面に山が映っていた。
8:10 コンバル湿原端っこ(Lac Combal 1,950m)
コンバル湿原の端までは1時間程度。ここからまた登っていく。モンブランの巨体がどんどん見えてくる。フランス側からみるモンブランは白くて丸い、まさにケーキのような山だがイタリア側のこの山の印象は黒い岩。南側だからか、雪も反対側に比べるとだいぶ少ない。自分の足場から山頂まで2,500mも高低差があるのに、岩の大きさに自分の遠近感も崩れ、とてもそうとは感じられない。
雪渓の雪がどんどん溶け出し、こんな感じの沢を渡るところはたくさんある。
澄んだ空のもと、さらに高度を上げていく。
9:20 Mont Favre Spur 2,430m
本日の最高点は2,430m。このあたりまで来ると、モンブラン、グランドジョラス、そして今日午後に訪れるフェレの谷の方までずっと見渡せる。谷の勾配が急なので、谷底の方も手を伸ばせば届きそうだ。
このあたり、ずっと斜面にへばりついた道を進む。
ところどころ、雪渓を横断するところもあり、こういう時にストックがあると便利。
少しづつ標高を下げながら、シェクルイのコルに向かう。花もたくさん咲いており、空と山と花を眺めながら、のんびり歩いた。グランドジョラスという名前はなんか聞いたことがあるなーと思ったら、この裏側の北壁はヨーロッパ三大北壁の一つで、ハセツネカップに名を残す長谷川恒男が冬季北壁単独世界初登頂を達成したり、植村直己が登頂したりとクライミング史に重要な山だった。
10:50 シェクルイのコル(Col Checrouit 1,956m)
空中散歩を楽しみながら、樹林帯、スキー場エリアを通過し、シェクルイのコルへ。ここには、メゾン・ヴィエイユ(Maison Vieille)という小屋があり、レストランもある。本によるとここから、リフトとロープウェイでクールマイユールまでは15分のはずが、なんと今日は両方とも運休。。。もうシーズンのはずなのに何故。暑くなってきて、当てにしていたので、かなりガッカリだった。
仕方がないので脇の道をひたすらクールマイユールに向けて下る。
12:00 クールマイユール(Courmayeur 1,226m)
シェクルイのコルからの下りは砂利の車道を歩くところもかなりあり、照り返しなどでかなり辛い下りとなった。クールマイユールはなかなか大きな街でずっと見えているのだけど、なかなか着かない。バス乗り場の場所が今一、はっきりしなかったので、バス停はどこだろうと上から探しながら下っていたが、それっぽい広場を発見し、そこを目指した。広場に着くと気温はなんと31度。暑いはずだった。
クールマイユールの街は、すぐ後ろにグランドジョラスの山が聳え立っていて、かつ昔からの古い建物も残っている素敵な町だった。山小屋の食事にちょっと飽きてきていたので、レストランに入り、やっぱイタリアだからピザでしょ!とピザを食べた。そしてスーパーで行動食のドライフルーツを調達。スーパーの場所は非常に分かりづらいので人に聞いた方がよい。
ここから歩くと一日かかる行程をバスで30分で進んでしまう。今回は時間の関係でバスにしてしまったが、ここからボナッティ小屋までのフェレの谷はとても景色がよくて評判のようなので、時間があれば歩いたほうがきっと楽しいと思う。
ちなみにバスの行先はアルヌーバ(Arp Nuva)。バス停で何度運転手さんに「アルヌーバ」といっても通じなかった。仕方ないのでバスの時刻表の文字を見せると、「Oh、アルヌーバ」と納得。君の「アルヌーバ」と僕の「アルヌーバ」のどこが違うのか詳しく教えてくれっと言いたくなった。ちなみに昼の時間帯のバスは1時間に1本程度。
14:10 アルヌーバ(Arp Nuva 1,789m)
バスからもフェレの谷の景色は楽しむことができる。見上げるような絶壁の下に、川、そしてその周りの緑でピクニックをしたり、くつろいでいる人たちがたくさんいた。
ここからエレナ小屋までは川沿い砂利の車道と、ちょっと登って山肌を歩く道の二つがある。僕らは後者を選んだが、こちらの道は季節がちょうど良かったのか花が咲き誇っており、今まで花がこんなに奇麗な道はあるいたことがないというくらい素晴らしかった。
そして対岸には山と氷河。
そして色とりどりの花が咲いた道がずっと続いていた。
15:00 エレナ小屋(Rifugio Elena 2,062m)
バスを降りて一時間ほどでエレナ小屋へ到着。ここは小屋というかペンションというか設備がとても立派で、初めて部屋にシャワーとトイレがついている個室に泊まった。
部屋もこんな感じでとてもきれい。
そしてバー、レストランも雰囲気がとてもよかった。この小屋で夕食時にテーブルが一緒だった同年代のアイルランド人夫婦。とてもフレンドリーな彼らとは、このあと最終日まで、ずっと顔を合わせることになり、とても楽しい時間を過ごせた。ただし我々が途中乗物を使っているのに対して、彼らは全て徒歩で通しており、かなりの健脚。他の日の夕食時の会話でも、「ニュージーランドのミルフォードトラックは、、、」とか「インカトレイルは、、、、」とか世界中でトレッキングをしているようで、若いのに人生を楽しんでいるなぁと、ちょっと羨ましかった。
そして夕食はイタリアらしく、スターターにパスタ、そして肉、果物のデザート付となかなかの豪華メニューだった。
全体を通じてこの日の景色が山も天気も花も一番印象的だった。この日が晴れたので、後の日はもう雨でも文句いいません、神様ありがとう!と思ってしまうくらい、素晴らしい一日だった。
ヨーロッパアルプス。夢・・!
by FSC梓 (2009-07-19 19:42)
>FSC梓さま、
山の形とか日本と似て入るところもあったり、氷河や牛のいる風景などヨーロッパ独特のものがあったり、色々あって面白かったです。日本から行くと、やっぱりちょっと遠いですが、機会があれば是非。きっと気に入ると思います!!
by hiko (2009-07-20 05:17)
アルプスの青い空と白い峰、TMBは素晴らしいですね!
シャモニは私にとってとても思い出深い街です(^^)
残りの日程も楽しみにしています♪
by montblanc (2009-07-21 22:37)
こんにちは!
「ツール・ド・モンブラン」で検索してたどりつきました。
私も6/27~7/3でツール・ド・モンブラン歩きました。
日程を見るとコル・ド・ラ・フォルクラでニアミスだったような?
私はキャンプ場に泊ったんですけど。
写真、きれいですね!
ほんとに素晴らしい景色でしたよね。
続き、楽しみにしてます。
by てる (2009-07-22 10:41)
>montblanc 様、
コメントありがとうございます! お名前からきっと、シャモニにゆかりがある方に違いないと思っておりました。
ほんと、シャモニは素敵な街ですよね。二日居ただけで、かなりお気に入りの街になりました。
遅れ気味ですが、ちょっとづつ、続きも更新します!
by hiko (2009-07-23 05:39)
>てる様、
おっと奇遇ですね!本当に歩いている時間は雪も降らず、天気は素晴らしかったなー。と思ってブログを拝見したら、テント装備で7日全行程歩きですかっっ。一瞬絶句してしまいました、すごい!
てるさんの山行記録も楽しみにしています!
by hiko (2009-07-23 05:59)
景色だけでも素晴らしいのに、お花が彩りを添えてくれたら
最高ですね!
私は山での景色を見て心からの叫びのはずなのに
『すごーーーーい!!』 『きれーーーーーー!!』
とかしか出てこない自分にがっかりだったりします。
海外のトレッカーってみんなオシャレに見えますが、
実際はどうですか??
by さるぼぼ (2009-07-27 07:25)
>さるぼぼさま、
ほんと花、綺麗でびっくらこきました。
景色見て出る言葉は、悲しいかな僕もいつも「すげーっ」だけです。
海外のトレッカー、確かにオシャレに見えます。何でかなーと考えてみると短パンパワーじゃないかと。男女問わず、ほとんどの人が短パンをはいているのですが、それが彼らは凄く似合っているんですよね。やっぱ足の長さの差でしょうか。。。
by hiko (2009-07-29 07:39)