2008/09/13-14:奥穂高岳(3,190m)・前穂高岳(3,090m) [登山・ウォーキング:日本]
2年前は雪が降ってきて諦めた。今回こそは、と再び上高地に向かった。
(吊尾根から前穂望む。)
<コース>
1日目:上高地→横尾→涸沢→穂高岳山荘
2日目:穂高岳山荘→奥穂高岳→前穂高岳→岳沢→上高地
<1日目>上高地→横尾→涸沢→穂高岳山荘
6:30 上高地出発
奥穂高には、一度向かったことがある。そのときは、あいにくの雪で、涸沢で引きかえすことになった。(そのときの記録)それはそれで、雪化粧の穂高を眺めることができ、大満足だったのだけど、やはり穂高には行かなきゃいかんとずっと思っていた。晴れそうな3連休でやっとチャンス到来。テントか小屋か迷ったが、今年は天候が不順であまり山に行けず、相当体がなまっているため、小屋どまりの予定にした。
さわやか信州号で上高地に到着。目を覚ますとなんとシトシトと雨が降っている、がっかり。日ごろの行いは、良くか無いかで言えば、どっちかと言えば良いはずなのに、、、北アルプスとは相性が悪く、目を覚ますと雨だったのは、これで何度目だろう。若干テンション下がりつつ、身支度を整えて出発した。
天気が良ければ、1日目に岳沢経由で登ろうかと思ったが、悪かったので涸沢に向かう。
最初の明神館のりんごとビールが妙においしそうに見えたが、まだまだ今日の序の口なので眺めるだけで通過。
9:20 横尾
屏風岩も雲の合間からしか見えず。本谷橋あたりで雨が止んで暑くなってきたので、雨具を脱いで、畳んでしまったら、その3分後にまたもや本降りに。ふざけた天気だぜっと思っても、泣く子と雨には勝てない。雨の中を黙々と進んだ。
12:40 涸沢小屋
涸沢の手前の最後の登りはいつもしんどい。チャキチャキと登っている赤いカッパを着た小1くらいの女の子がいて、「頑張って登っているなぁー」と思い、保護者のような気持ちで眺めていたら、意外と登るスピードが速くあっという間にちぎられた。なので、僕も相方に「しんどい。休もう。」とは言えず、頑張って登った。
小屋で相方はカレー、僕はチャーシュー丼を注文して食べた。チャーシュー丼は疲れた体にも、とてもしょっぱく、疲れてなかったらとても食えんなと思ったが、お腹が空いていたので、美味しく頂いた。テントの数は3連休にしてはちょっと少なめ。天気のせいだろうか。
涸沢小屋から先の道はずっとガレ場を登ることになる。この辺りで雨は止み、ちょっと青空が見えてきた。雨具を脱ごうか迷ったが、「もうこの天気には騙されないぞ!」と思い着たままで進んだ。そして、やはりというか何と言うかこの後雨が降ることはなかった。
14:20 ザイテンクラート通過中
ガレ場を登っていきトラバースすると、ザイテングラートと呼ばれる岩場に取り付く。カールの中をポコッと岩場が飛び出ている不思議な地形だった。特に危険なところではないが、結構距離が長い。岩場に来ると、もう少しで終わりな気がしてラストスパートで頑張ってしまう癖があるのだが、ここはまだまだ長いと自分にいい気かせながら、ゆっくりと進んだ。
15:10 穂高岳山荘到着
上に行くに連れて、再びガスってきた。真っ白な中、なかなか穂高岳山荘が見えなかったが、小さな鉄塔のような建物が見えると山荘にやっと到着。受付をすると本日は、布団1枚に2名様なり。
とりあえず、ビールを買って、持ってきたおつまみとでリラックス。ドライマンゴーとアーモンドフィッシュが最近のお気に入りで、一気に食べてしまう。そして、山荘で売っているホットカルピスも頼んでみると、疲れて雨で冷えた体には、かなり効き、美味い。今回は小屋泊まりなのでバーナーを置いてきてしまったが、早速夕飯宴会を楽しんでいる人々を見ているとうらやましくなり、今後は持ってくることにしようと思った。
ここの食事は品数も多く、山小屋ではかなり美味しい方だと思う。食べながら、隣のおじさんグループと今日の山について話をする。広島からやってきて、今日は西穂から到着。やはり噂に違わぬ凄まじいコースらしく、10時間かかったと興奮覚めやらぬ話を伺った。自分の親と同じくらいの年齢だと思うが、皆さん元気で山をやる人は流石だなと思う。
ちなみにこの辺りの山小屋は他に比べると20代の若者が多い。僕らの相部屋も半分くらい20代の若者だった。消灯間際までの部屋でのお喋りは、確かにマナー違反でうっさいなーと思ったが、彼らのバカっ話(本当にくだらなかった)を聞いていると、ちょっと懐かしい気もした。そんなに年も変わらないはずなのだが。
<2日目>穂高岳山荘→奥穂高岳→前穂高岳→岳沢→上高地
5:30 穂高岳山荘
早めに寝たので、4時頃に目が覚める。仕度を整えて、外を伺うとまだ真っ白。ちょっとがっかりだが、だんだんと天気は良くなるらしいので、今後の展開に期待する。
うっすらと奥穂方面の岩も見えていたが、ガスっているのでおどろおどろしい感じがする。小屋横すぐから岩場とハシゴ場が始まる。初めてのコースでちょっと不安だったので、岩に慣れた感じのおじさんパーティーが出発したのを見計らって、金魚の糞作戦でGO!ハシゴ場は朝で湿っており、手がかじかみ気味だったので、ちょっとビビッたが、ハシゴを抜ければ後は普通の岩場だった。
6:05 ジャンダルムが見える
登るにつれてちょっと霧が晴れて振り返ると一瞬、槍も見えた。そしてちょっとした岩場を登りつめると、突然異様な形の山が見えた。ジャンダルムだった。やはり噂どおり岩場が切れていて凄い迫力があり、見ているだけで畏怖を覚える。僕は高所恐怖症なので、間違ってあの尾根に迷い込んでしまい、お尻の下がスースーする高いことろで足がすくんでいる自分を想像するだけで、手が汗ばむ。
6:10 奥穂高岳山頂
霧が晴れたのも、ほんの一瞬。再び辺り一面真っ白になり、ジャンダルムもすぐ近くのはずなのに最早見えない。奥穂高の山頂は展望が良くて有名なのだそうだが、いやはや今日は、、、
山頂にいた人からは、「一瞬でもジャンダルムが見えてよかったね!」と謙虚な発言が相次いだ。我々はここで一服して前穂に向かうが、予想外に西穂に向かう人が多い。ヘルメットをして慣れた感じの人だけではなく、普通な人たちも向かっており、ちょっとびっくりした。
6:45 吊尾根 やっと晴れてきた
吊尾根は最初の方は起伏が少ないが、ちょっと進むと徐々に下り出す。しばらくするとやっと霧が晴れてきた。前方に前穂高が見えてきた。やっと穂高らしい景色が見えてきて思わず「すげぇー!」と声が出た。
遠くから見るとこの辺りの道はとても険しく見えるが、足元は道幅もある程度しっかりしていて、気を抜かなければドキドキするところは無く、快調に進む。
右を見れば雲の向こうに乗鞍や御嶽が見える。乗鞍は道路が上まで伸びているため、有り難味が無いイメージがあるが、遠くから見ればかなり雄大で美しい山だった。
左側を覗き込めば米粒のようjな涸沢のテントと遠くに常念が見えていた。
7:45 紀美子平
前穂の巨体はずっと見えているものの、中々近づかない。右側から回り込んだところに、紀美子平があり、一服してザックをデポし、ここから前穂の山頂に取り付く。まだ岳沢への下りが残っているのに、日ごろの運動不足がたたり、この辺りで早くも足がプルプルしてきた。
8:20 前穂高岳山頂
登りだしは大きめの岩が続く岩場。先行者が見えなかったので、ペンキを見失わないように進む。ここは流石に四つん這いになりながら登っていく。30分程のぼると、ようやく快晴の山頂に着いた。雲は多めだが、上高地の赤い屋根はしっかりと見えた。綺麗なのだが、あそこまで降りなくてはいけないのかとちょっと心配になる。
反対側にはクライマーの領域、2峰、3峰、4峰と一生縁が無いであろう山々が見える。前穂の山頂には一等三角点があるため、山頂標のところに測量器具が設置してちょうど測量をする人が上がってきていた。
山登りを始めたころ、穂高は別格の山だと思っていた。とうとう穂高に来てしまったと思うと、ちょっと感慨深い。とにかく青空が見えてよかったと思いながら、下りに向かう。
9:00 紀美子平
もう一度紀美子平に戻ると、続々と奥穂方面から人が到着して賑わっていた。
ここにきてやっと奥穂も見える。あんな山だったんだなぁと思いながら、平均斜度45度で有名な重太郎新道を下りだす。
重太郎新道降下中
クサリ場やハシゴ場がパラパラあり、確かに急な下り道。高度はグングン下がっていくが、下りとはいっても時間がかかり、あまりスピードは上がらない。振り返ると前穂は遠くなっていく。
ブロッケン ハッケン
岳沢パノラマのちょっと手前。5、6人の人がしきりに谷に向かってシャッターを切っている。近づいて聞いてみるとブロッケン現象だった。初めて見るブロッケンだったが、なんとも不思議な感覚で、昔の人が仏さまと間違えたのも、ちょっと分かる。風が吹いて霧が晴れるとあっという間に消えてしまった。
だんだんと高度は下がってきているものの、上高地はまだまだ下に見える。この道を登ってくる人たちは、みんな大変そうで、下りでよかったと思う。
11:15 岳沢ヒュッテ跡付近
やっと急坂が終わり、沢の上を見上げると今日通ったはずの吊尾根が遠くに見える。岳沢ヒュッテは何年か前に雪崩で倒壊してしまい、残念ながら現在はテラスのテーブルとイスしか残っていない。その後、仮設トイレが設置されているので、ここでキャンプをしている人もいた。
この辺りで足はもうガクガク。ここから先の下りはかなり緩くなっているのだけど、一歩一歩足を進めるのが精一杯だった。岳沢ヒュッテ跡までは、上高地ハイキングの延長上になっているようで、普通の格好と靴の人がパラパラと上がってくる。ハイキングの人の数でもう少しだ、頑張れ!と自分に言い聞かせながら歩き、13:00頃に登山口に着いた。遊歩道に入ると全くの別世界、東京のど真ん中を歩いているようなお洒落な人たちがたくさん歩いており、風呂に入っていない自分が若干気になる。
その後上高地アルペンホテルで入浴し(14:30まで)、替えのTシャツを持っていなかったので、恥ずかしながら「山人(やまんちゅ)」Tシャツを買って着替えた。これしか売っていなかったのだから、しょうがない。僕は悪くない。
バスと電車を乗り継いで松本へ。あずさを待つ間、松本ではいつも寄っている食事処 高橋に行き、ソースカツ丼を食べてかなりの満腹状態のまま帰った。(ソースカツ丼の大はとってもボリューミー。)
天気は一日目は悪かったものの二日目は晴れて、穂高に行けた!というのは自分にとっては感慨深く、久しぶりの山だったが、かなり充実した気分になった。
ただ、帰ってから他の人のHPなどで快晴の奥穂高などを眺めていると、「やっぱり全然景色が違う!!」と若干の憤りを覚え、快晴でのリベンジを誓った。
おわり
はじめまして^^
北アルプスは最高ですね!
私も同じく 金魚の糞作戦 しました^^;
詳細なレポでまた行った気がして楽しめました。
by judyxxx (2008-10-08 09:00)
judyxxxさま、
ありがとうございます!やっぱ穂高あたりは、他の山とは
一味違って別格な感じがします。
それにしてもジャンダルム行かれているなんて凄い!としか
言えません。本当に想像するたけでムズムズします。
今年もう1回アルプスに行きたいと思っているのですが、、
お天気しだいですね。
by hiko (2008-10-09 00:53)
ご訪問、ありがとうございました。
私も9月13日、上高地から槍に行きました。
あの日はなんとも不安定な天気でしたね。
by さるぼぼ (2008-10-29 12:18)
さるぼぼ様、
コメントありがとうございます!
確かに降ったり止んだり、不安定でした。僕の場合、
北アルプスは予定を前もって立てないと行けないので、
なかなか晴天に巡りあえないのです。
南アルプスとは、相性が良いのですけどねぇ、、、
by hiko (2008-11-01 21:06)
いいですね.いつか行ってみたいと思いながらも,奥穂高岳はいつも横尾経由でした.寒くなる前に行きたいです.
by 井上 (2011-09-04 21:53)