2006/11/18:太郎山・日光(2,367m) [登山・ウォーキング:日本]
ICIのセールで、重登山靴とアイゼン(12本!)を買ってしまった。冬山は一度も行ったことがないが、買ったからには使いたく、ウズウズして、ちょっと雪がありそうな日光の太郎山に僕は一人で向かった。
<コース>
光徳温泉バス停→山王峠→山王帽子山→太郎山→新薙登山口→三本松バス停
とうとうアイゼンを買ってしまった。アイゼンを買うと初心者にも関わらず、「俺もいっぱしの、、」なんて気になり、眺めが良い&ちょっとだけ雪がありそうな山を探して、行き先は太郎山に決定した。
今日は一人なので、電車で行く。早起きして、北千住6:30の東武鉄道で日光に8:20くらいに到着。バスはいろは坂を上がって、9:40くらいに光徳温泉バス停に着いた。
10:00光徳牧場
バスの中は観光客の人7、8人と、登山客は僕とたぶん白根山に向かうと思われる重装備の二人のみで、光徳温泉バス停で降りたのは僕だけだった。バスを降りるとちょっと寒かったが歩き出すとすぐに暖かくなった。ちなみに太郎山というのは日本中にあるが、その辺りで一番の山という意味らしい。
山王峠までは舗装された林道もあるが、光徳牧場からのトレッキングコースを歩いた。天気は素晴らしく、気分は上々。
11:00山王峠
ここの峠を下っていくと川俣温泉方面。トレッキングコースから林道に合流後、右に200mくらいいくと太郎山への登山口がある。ちょびっと雪はあったが、アイゼンは不要で樹林帯の中をテクテクと進む。
12:00山王帽子山
ちょっとした急登を超えて、なだらかになった所を回り込むと山王帽子山の頂上に着いた。この辺りから、振り返れば真っ白になった日光白根山、遠くに双耳峰の燧ケ岳、前方には中禅寺湖と男体山が見える。雪はすぐ近くの山まで来ており、この辺りももうすぐ雪に包まれるのだろうなぁ。ここで、昼ごはんのパンとバームクーヘンを食べたが、太郎山まではまだまだ遠くみえるので、すぐに出発した。なんせ今日のコースのコースタイムは8時間くらいなのだが、スタートが遅かったので、もう12時なのである。
13:43小太郎山
山王帽子山からは一旦少し下り、また登り返す。北側斜面にはそこそこ雪が残っており、ガイドブックに書いてある日本庭園も、初冬の今はまったくわからない。ここまで、人と全くすれ違わなかったが、小太郎山への登りで、鈴の音が聞こえ出し、初めて人と出合った。すでに下山中のおじさんで、「今から登るの?」と言われてしまったが、「この先とくにアイゼンが必要ない。」と道の状況を教えてもらい、しばしお話をした。
小太郎山からの眺望は東西南北素晴らしい。ここから太郎山との間には、狭い尾根で高度感のある岩場がちょっとだけあった。(下右写真)雪がないので、たいしたことないが、あるとちょっと慎重に!という感じだ。ともあれ、こんな人がいない山で落ちたら、まず発見されないので、慎重に通った。
14:10太郎山頂
小太郎山からは、あまり登ることも無く、なんとなく太郎山に着いた。
眺望は相変わらず素晴らしい。白根、男体山に加えて、女峰山、小真名子山、大真名子山も雄大だ。この山域に何人くらい人がいるのだろうと、こういう景色を目にしたときに自分の小ささをいつも感じる。特に一人山行で人がいない日は、なお更だ。これまで、雪上に明らかに人間よりも小さな足跡がたくさんあった。シカやサル、もしやクマだろうか?そういやさっきすれ違った人はクマ鈴つけてたなぁ~と思いながら、あまりに人が少ないのと下山までにたぶん暗くなるだろうことがちょっと不安になって足早に山頂を跡にした。
下山中
山頂からは新薙コースを下る。途中お花畑と呼ばれる旧火口の平坦な道を通り、ガレ場を2回ほどトラバースする。山王帽子山からの登りよりも若干勾配は急だった。
15:10新薙登山口(林道)
樹林帯を下りやっと林道に出たが、ここからまだまだ長い10kmくらいの林道歩きがある。人の気配が全くせず、鹿が突然デカイ鳴き声を響き渡らせるのにビビッったり、近くの草むらがガサゴソすると「もしやクマ??」と思って歌ってみたり、しながら歩いた。志津からの林道と合流すると、宇都宮大学の演習林や建設現場があり、車が数台通る。夕暮れに備えてヘッドライトを持ちながら歩き、通り過ぎる車が「乗ってけよ。」という言ってくれるのでは!という淡い期待を抱いて、笑顔を車に振りまいてみたが、もちろん無駄だった。林道の途中で日が暮れた。途中三本松方面はロープが張ってあり、通行止めになっていたが、もう国道の音がするのでくぐり、ドライブインのある三本松バス停にやっとこさ着いた。日が暮れてから真の闇が訪れるまでは、意外と長いなと思った。
17:10三本松バス停
暗い中家の灯が見えると、人里に戻ってきた不思議な安堵感がある。ラッキーなことにバスはすぐに到着した。このバスは日光駅まで、ここのドライブインで働いていて毎日このバスに乗っているであろうおばちゃんと僕と運転手さんの3人だけだった。3人だけなので、車内は真っ暗。運転手さんの「暖めておいたよ~!」という会話に始まり、まるで僕の存在など空気のようなおばちゃんと運転手さんの毎日繰り返されているだろう会話がずっと続いた。地方経済は、未だ不況のようだ。
日光からは、スペーシアでサクッと帰った。
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